幸福のヒントは“没頭”の中にある?

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心理学者ミハイ・チクセントミハイ(ハンガリー出身)が提唱した「フロー(Flow)」とは、我を忘れるほどの集中、時間感覚の消失、雑念のない心の状態を指します。評価や結果が目的ではなく、行為そのものが報酬になる時間です。

フロー状態のときにはドーパミンやエンドルフィンといった脳内物質が分泌され、心地よい集中と満足感が生まれるとのこと。

フロー状態は、強い集中と自然なリラックスが同時に起きている特別な心の状態でもあります。力んで頑張るような緊張ではなく、余計な雑念が消え、目の前のことに自然と意識が向かい、心地よさが伴っています。フローには個人差もあり、子どもの頃に夢中で遊んでいたときの感覚がヒントになるようです。

大人になるにつれて、結果や評価が先に立ち、他人の目を気にするあまり、あの頃の自然な没頭を忘れてしまいがちです。でも、忙しすぎる日々の中で少しずつフローの時間を取り戻す(没頭する時間を増やすこと)で、心の奥に静かな幸福が育っていくのだと感じます。

孔子は『論語』の中で「知る者は好む者に如かず、好む者は楽しむ者に如かず」と語っています。評価や結果にとらわれず、行為そのものに没頭し、喜びを感じる状態は、古代から人間が理想としてきた心のあり方でもあるのかもしれません。

参考文献

  • 茂木健一郎『強運脳』(かんき出版)
  • 『Newton』2025年6月発行「ストレスの脳科学」

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